【熱帯夜対策】最高の睡眠をとる6つの方法

夏の夜は寝苦しい
夜中に蒸し暑くて起きてしまう
エアコンで体がだるい
梅雨に入り寝苦しい夜が続くようになってきました。6月から7月にかけては梅雨による蒸し暑さ、7月中旬からはうだるような暑い夜がやってきます。 毎日の健康を維持するには、睡眠で1日の疲れをしっかりととり次の日へ備えることが必要です。 寝苦しい夜に悩まされるこの時期にどのようにしたら良い睡眠をとることができるのか東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長のお話をまとめてみました。 この記事を読めは熱帯夜の正しい睡眠の取り方がわかります。ぜひ最後まで読んで快適な夏の夜をお過ごしください。

あなたはいくつ当てはまる?睡眠負債チェック

普段の睡眠でどのくらい睡眠負債がたまっているのかセルフチェックしてみましょう
毎晩 布団に入ると 5分以内に 眠りに落ちる。
 休日はいつもより2時間以上長く寝ている。
 パジャマが寝汗でびっしょりになる。

睡眠負債チェックの結果

上の8つのチェック項目のうちいくつ当てはまったでしょうか?
該当なし・・・睡眠の質が高くベストな快眠状態。すばらしい!! 1〜2個・・・睡眠負債の初期段階。規則正しい生活を心がけましょう。 3〜4個・・・睡眠負債がたまっている可能性大。自分の睡眠を見直そう。 5個以上・・・睡眠の質が低く生活習慣病のリスク高い。早急な改善が必要です。

寝苦しい梅雨 睡眠の注意すべき3つのポイント

みなさんは寝苦しい夜、どのようにお過ごしですか?
ジメジメして暑いけど、エアコンは使わずタオルケットを羽織って扇風機だけ回して寝ているわ
暑くて寝苦しいからエアコンをつけてるけど、肌寒く感じることもあるよね
このように高音多湿な梅雨の時期は不快指数が高くなります。脳は自律神経を一生懸命活動させなければいけないので、結果的に寝つきが悪くなり睡眠の質が落ちるのです

注意すべきポイント① 梅雨時の快眠の天敵は「湿気による体温調節不能」

通常時

快適な眠りのえられるメカニズムとはどのようなものでしょう。
発汗などにより体から熱を放出 ⬇︎ 深部体温が低下し深い睡眠に

梅雨時

しかし梅雨時は以下のようになります
6月から7月の梅雨明けまで湿度が80%前後まで上昇し、湿気で汗をかいても蒸発しない ⬇︎ 深部体温が下がらず眠りを妨げる

注意すべきポイント② 隠れ脱水

脳梗塞の発症は梅雨の6〜7月が多い

気温上昇 ⬇︎ 湿度が高いのでのどの渇きを自覚しにくい ⬇︎ 水分補給が不足 → 脱水 ⬇︎ 血液や体液の循環悪化
特に寝ている間が要注意
皮膚や呼気から失われる水分 →300cc 尿としてたまる水分 →300cc 脱水状態では血流が悪化し自律神経にかかる負担も増大し睡眠の質の低下を招きます。
朝起きた時は誰でも脱水状態になっているのです

注意すべきポイント③ 就寝中の脱水を防ぐ方法

  • ベッドに入る30〜40分前に少なくとも200ccの水分を摂取(カフェインは含まないもの)
  • 汗を吸収しやすく乾きやすい素材のパジャマを選ぶのも効果的
水を飲んだら夜中にトイレに行きたくなっちゃうんじゃない?
一気に飲むとトイレに行きたくなるけど、ゆっくり30分くらいかけて 水が体になじむように飲めばむしろトイレに起きることが減ります。 もちろん寝る前にアルコールを飲むと、アルコールの分解に水が必要に なるからさらにひどい脱水になってしまうから注意が必要です
アルコールは脱水症状を深刻にします。

ジメジメして眠れない   寝室の理想の環境とは?

みなさんは快適な睡眠をとるためにどのような工夫をさせているでしょうか?
汗でベトベトになって寝るのが嫌だから冷感タイプのシーツとか枕カバーをつけて寝ているわ
冷えすぎるといけないからエアコンをタイマーで1〜2時間で切れるように設定しているよ
吸湿性や放熱性が高いシーツや枕カバーはいいのですが、単に冷たい感覚だけのものだと逆に汗腺を止めて熱をためてしまうので注意が必要です。
では理想の寝室環境とはどのようなものなのでしょう。

理想的な寝室環境

  • エアコンはつけっぱなしで設定温度は25℃ (筋肉量により24℃〜26℃で体にあった温度) 若い男性は24℃、年配の方や女性などは26℃が適していると言われています。
  • 布団内部の温度は33℃
  • 室内の湿度は55%が最適
部屋の温度が25℃と聞くとちょっと寒い気がしますが、部屋は少し涼しくし 布団の中は自分の体温で保温して33℃にするくらいの温度が一番いい睡眠になります。 エアコンや除湿器を使って温度や湿度をコントロールすることが大切です。
25℃まで下げたら寒くて眠れない気がするわ
25度では寒すぎると感じるのは、タオルケットで寝ようとしているからではないでしょうか? 最高の睡眠をとるには25℃に冷やした部屋でタオルケットではなく布団をしっかりとかけて寝ることで深部体温を下げていくことが大切です。
エアコンをつけて寝ると体がだるくなるのは、タオルケットで体が冷えてしまったからなんだね
タオルケットで寝るのはエアコンがなかった昭和の頃の風習です。
脳にとっての最適温度は22℃から24℃なので、エアコンなしで寝ても脳は全然休むことができません。本当ならば、22℃から24℃で脳を休ませたいところですが、それでは体にとって寒すぎます。そこで約25℃(24℃から26℃)に調節する必要があるのです タオルケットで寝るのは昭和の風習です。令和の時代はしっかりエアコンをかけて温度と湿度をコントロールして寝ましょう

寝具の湿気対策は?

  • 布団乾燥機などを活用して寝具をしっかり乾燥させる。
  • 掛け布団をめくっておくだけでも効果あり。

中高年に増加 「睡眠の悩み」寿命を伸ばす快眠法

睡眠がちゃんと取れていない気がするわ。午前3時半ごろにトイレにも起きるしね
眠りが浅いせいなのかよく夢を見るよ。昼間に眠気を感じて昼夜が逆転しちゃうこともあるなぁ
中高年で睡眠に関する悩みがある人の割合は9割いると言われています。
  • 朝起きた時 疲れが残っている。 35.5%
  • 朝早く目が覚めてしまう。 32.1%
  • 日中何度も眠くなる。 29.1%
  • 夜中に何度もトイレに行く。 28.4%
夜中に何度も起きてトイレに行く人はおしっこが近いから何度も起きてしまうのではなく、何度も目が覚めるほど眠りが浅いことが原因で、せっかくだからトイレに行こうとなっているのです。つまりおしっこが原因で眠りが悪くなっているのではなく、眠りの質が悪いから何度もトイレに行くことになってるということ。そのため、いびきを解消したりして眠りの質を改善していくとトイレに行く回数が減ることが多いのです

睡眠が乱れるとこんなリスクが

睡眠が乱れるとさまざまな生活習慣病のリスクが高まります。
睡眠負債・睡眠障害 ⬇︎ 糖尿病・高血圧・肥満 ⬇︎ 心血管疾患(心筋梗塞・脳血管疾患) ⬇︎ 健康寿命の短縮

睡眠と認知症との関係 浅い睡眠は認知症の原因に!

睡眠とは老廃物の洗い流しとも言えます。 人は寝ている間に老廃物を洗い流し体をリフレッシュさせます。これは脳にとっても同じ。アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβはしっかり寝た場合と徹夜をした場合で蓄積に差が出ることがわかってきています。(※オランダの大学病院の研究) 睡眠によりアミロイドβなどの老廃物が洗い流され脳が修復されると考えられます。 つまり睡眠が足らなかったり、質が悪いと脳にアミロイドβが沈着し認知症のリスクが高まるのです。
脳の洗い出しは深い睡眠の時に行われることが分かってきた。 毎日しっかりと深い睡眠をとることは認知症予防にもなる。

中高年になると

中高年になると加齢とともに眠りの質が低下してきます。これは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が劇的に減少するからです。
年齢によるメラトニンの分泌量 Reiter and Robinson (1995) 10代・・・125pg /ml 20代・・・ 80pg /ml 30代・・・ 40pg /ml 40代・・・ 20pg /ml 50代・・・ 10pg /ml 60代以降・ 10pg /ml未満
寝つきが悪く深く眠れない ⬇︎ 睡眠リズムが乱れる
10代の頃「寝ても寝てもまだ眠い」のはメラトニンの量が多いからなんだね
メラトニンの働きを高めるには
  • 昼間に日光を浴びること。
  • 夜、入浴後は暖色系の照明を利用する。
  • 寝てる間は真っ暗にする。
日中に日光に当たることでセロトニンが分泌され、それが夜になってメラトニンにかわって睡眠の質を高めてくれます。 豆電球程度の灯りでもメラトニンの分泌を妨げるというデータがあるので、部屋は真っ暗にしましょう。夜勤等で明るいうちに睡眠をとる必要のなる人は、遮光カーテンをしっかり閉めてガムテープで目張りを行うなどして部屋が真っ暗になるようにすると睡眠効率が上がります。

中高年がよく眠れないその原因は・・・

中高年が「よく眠れない」は自律神経の老化が原因です。自律神経は加齢によりパワーが落ちていくのです。

自律神経のトータルパワー(東京疲労・睡眠クリニック調べ)※数値は概数

男性 女性 (mS2) 10代 2300 2000 20代 1800 1700 30代 1500 1300 40代 1000 750 50代 700 500 60代 500 400 70代 300 300

自律神経のパワーは 40代で10代の2分の1 60代では4分の1以下になる。
自律神経の機能が低下すると睡眠のコントロール機能も低下するので 日頃のケア 生活習慣を改善し質の高い睡眠がとれるよう工夫することが大事になります。
ちょうべえ
他の動物は自律神経が半分になったらたいてい死んでしまいます。人間の寿命が長い間50年だったのも自律神経のはたらきと関係があったのでしょう。しかし、寿命が100年近くになってきた現代では、自ら環境を工夫してあげないと健康寿命を伸ばすことが難しいのです

今日からできる睡眠の質を高める快眠法2選

入浴を上手に活用

  • 入浴は寝る時間の1時間〜1時間半前に入る。
  • 入浴は10分まで
  • 40℃くらいのお湯で汗をかかない程度
➡︎副交感神経が優位になり眠りやすくなる。

「478呼吸法」を活用

涼しいリビングで「478呼吸法」を3回繰り返し、脳をクールダウンさせてから寝るのがおすすめ
  • 腹式呼吸で鼻から4秒かけて吸う。
  • 7秒間息を止める。
  • 8秒かけて口から息を吐く。
涼しい部屋で息を鼻から吸うことで脳の下部を冷やすことができます。冷風を吸うことで脳の下部を冷却するのも効果的です。

まとめ

  • 朝日をしっかりと浴びる。
  • 入浴は就寝の1時間前くらいがベスト。
  • 寝る前のお酒は控えめにして水をゆっくり飲みましょう。
  • エアコンの設定温度は25℃で、無理せずつけっぱなしにしましょう。
  • タオルケットは昭和の遺物。しっかりと布団をかけて寝ましょう。
  • 就寝中は真っ暗にする。
これから寝苦しい夏がやってきます。ぜひ今回の記事を参考に日々の疲れをとっていただき 毎日元気いっぱいで過ごしていただきたいと思います。