いよいよ化学反応式作りも最終回になりました
今までの内容はよくわかったでしょうか?
もしつまずいたときはあせらないでもう一度じっくり復習してみてください
今回は新しく覚えることはほとんどありません
じゃあどうやって化学反応式を作っていくのかというと
今まで学んできたことを合体させて、パズルを解くだけです
慣れれば誰でも簡単にできるようになりますので、最後まで一緒に学習していきましょう
化学反応式の作り方を理解しよう レベル:★★★
さあ、化学反応式を作るために必要なことは全て学習しました
もう何も覚えることはありませんから安心してください
この後はただのパズルです ^^
肩の力を抜いてパズルの解き方を説明していきますね
今回は例として酸素と銀の反応について説明していきます
手順1 化学反応を言葉の式で書いてみる。
ステップ1で学習した酸素と銀の反応を覚えているでしょうか?
では問題です 酸素と銀は反応して何になったでしょう
答えは酸化銀ですね ※ 忘れてしまった人はステップ1にもどって復習しましょう
そこでこの化学変化を言葉で式に書いてみましょう
慣れてきたらこの手順はとばしてしまってOKです
ステップ2 文字の代わりに化学式で書いてみる。
酸素の化学式は何だか覚えていますか?
正解は O2ですね
同じように銀、酸化銀の化学式も書いていきます。
※ 化学式が思い出せない人はステップ3にもどって復習しましょう
※ 元素記号が思い出せない人はステップ2にもどって復習しましょう
※ 酸化銀をAgOと書いてしまう間違いが多いので気をつけましょう
O2 + Ag → Ag2O
なんとなくそれっぽい感じになってきましたね
でもまだ化学反応式は完成していません
化学反応式は反応の前後で原子の数が等しくならないといけないからです
このままだと化学変化によって酸素原子(O)が1つなくなって、銀原子(Ag)が1つ増えたことになります
もしくは酸素原子が銀原子に変化したことになってしまいます
【ルール】※原子は反応で増えたり減ったりしないし、他の原子に姿を変えることはない
化学反応は原子の結合が変わるだけで、原子の種類や数が変わることはありません
もう少し勉強して「核反応」を学ぶようになるとそういうことも起こりますが
中学校の間は原子は別の種類に変わることはないと覚えておきましょう
そこでそれぞれの化学式を何倍かし、最小公倍数を使って左辺と右辺の原子の数を合わせていきます
数合わせのパズルをする。
実は今回例に挙げた酸化銀の化学反応式は、中学校の化学反応式の中で一番難しいものです
銀をそろえれば酸素がずれてしまうし
酸素をそろえると銀がずれてしまう難易度MAXの問題です
しかし、これが理解できればこれ以上難しい問題はありません
何度も読み返して考え方を理解し、一人でもできるようにしましょう
酸素原子の数をそろえる
O2 + Ag → Ag2O
左辺の酸素原子は2つ 右辺の酸素原子は1つしかありません
そこで左辺のO2を半分にするわけにはいかないので
右辺を2倍にします
O2 + Ag → 2Ag2O
これで左辺の酸素原子は2つ 右辺の酸素原子も2つになります
これでめでたく完成!としたいところですが
他の原子の数もそろっているのか確認しなければいけません
O2 + Ag → 2Ag2O
左辺の酸素原子は2つ 右辺の酸素原子も2つ になっているので酸素は大丈夫のようです
左辺の銀原子は1つ 右辺の銀原子は2✖️2で4つになってしまい、銀原子が4倍に増えてしまっています
どうしたらいいのかしら
せっかく酸素原子の数を合わせたのに、今度は銀が違ってしまいました
そこで今度は銀原子の数を合わせることが必要になります
銀原子の数をそろえる
Ag2Oは酸化銀の最小単位なので、 右辺の2Ag2Oを4で割ることはできません
また、2で割ってしまうと、せっかく整えた酸素の数が合わなくなってしまいます
そこで、右辺の銀を減らせないなら左辺の銀にふえてもらうしかないという結論になります
O2 + Ag → 2Ag2O
左辺の銀原子は1つ 右辺の銀原子は4つ
そこで左辺の銀を4倍にします
O2 + 4Ag → 2Ag2O
すると左辺の銀原子は4つ 右辺の銀原子の数も4つになります
確認をする
酸素と銀の数合わせが終わりました。最後にもう一度左辺と右辺で原子の数が同じになっているか確認しましょう。
O2 + 4Ag → 2Ag2O
左辺:酸素2つ 銀4つ
右辺:酸素2つ 銀4つ
これで質量保存の法則を満たす化学反応式が完成しました
意外と簡単かも
ステップ1で学習したように、中学校で学習する化学反応は12種類ありますが
酸化鉄と酸化マグネシウムの化学式は習っていないので
化学反応式で書けるのは以下の10個しかありません
つまりこの10個を練習しておけば中学校のどの化学反応式は100%解けるということになります
1.鉄 + 酸素 → 酸化鉄(さんかてつ)2.マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム
3.銅 + 酸素 → 酸化銅
4.銀 + 酸素 → 酸化銀
5.鉄 + 硫黄 → 硫化鉄 (りゅうかてつ)
6.銅 + 硫黄 → 硫化銅 (りゅうかどう)
7.水素 + 酸素 → 水
8.炭素 + 酸素 → 二酸化炭素
9.水 → 水素 + 酸素
10.酸化銀 → 銀 + 酸素
11.酸化銅 → 銅 + 酸素
12.炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 二酸化炭素 + 水
まとめ
最後に化学反応式攻略ロードマップをもう一度示しておきます
つまずいた時にはつまずいた場所にもどってじっくりべんきょうしていきましょう
ステップ2 元素記号を13種類覚える
ステップ3 化学式を18種類覚える
ステップ4 化学反応を化学式で表し、原子の数が合うように数合わせをする
化学反応式は丸ごと覚えるものではありません
化学式を覚えて組み立てていくものです
みなさんが自信を持って化学反応式が作れるようになることを祈っています